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「自分はなぜこんなに仕事ができないのだろう」 「周りはあんなに評価されているのに、自分だけが浮いている気がする」

毎日会社に行くのが辛く、自信を失いかけてはいませんか? もしあなたが、企業という組織の中で自分のパフォーマンスが発揮できずにストレスを感じているなら、その原因はあなたの「能力」ではなく「環境への適合性」にあるかもしれません。

私自身、かつては「仕事ができない」というレッテルを自分に貼り、苦しみ抜いた経験があります。しかし、フリーランスとして独立して3年が経った今、その認識は間違いだったと気づきました。

本記事では、7社もの転職を繰り返し、「仕事ができない」と悩み続けた私が、なぜフリーランスになることでその問題を根本解決できたのか。その実体験と気づきを包み隠さずお話しします。

背景

まず、私の経歴について少しお話しさせてください。 私は現在、フリーランス3年目(2022年開業)として、Webマーケティングをメインに個人事業を行っています。

ここに至るまでの道のりは、決して平坦ではありませんでした。これまでにIT関連企業を中心に、アパレル販売なども含めて約7社を転々とする生活を送ってきました。

それぞれの会社に入社した当初は、それなりに順調なんです。最初の半年から1年くらいは、営業職として売上目標を達成し、会社に貢献するパフォーマンスを発揮できていました。しかし、問題はそこからです。

1年、2年と時間が経過するにつれて、徐々にパフォーマンスが鈍り始めます。長く勤めた会社では5年半ほど在籍しましたが、それでも2〜3年目からは雲行きが怪しくなりました。周りの営業職の社員が半年や数年で辞めていく中、自分もまた「この会社は自分に合っているのか?」という違和感を感じながら、パフォーマンスを落としていく。そんなサイクルを繰り返していました。

会社員時代「仕事ができない」理由

では、なぜ最初は順調だったのに、徐々に「仕事ができない」状態に陥ってしまったのでしょうか。振り返ってみると、会社員特有の構造的な理由が見えてきました。

1. 「専門外」の業務が増えていくジレンマ

会社員として企業に長く在籍すればするほど、本来の職務(私の場合は営業やマーケティング)以外の業務を任されるようになります。 例えば、人事採用のサポートや、総務的な雑務などです。当然、それらはやったことのない業務ばかりです。本来の業務で成果を出しながら、未経験の業務も感覚でこなしていかなければなりません。勉強する時間はなく、ただ目の前のタスクを「なんとなく」こなすだけ。

日本の企業では、特定のスキルを極める「スペシャリスト」や「プロフェッショナル」であることよりも、何でも屋である「ジェネラリスト」として生きることが求められる傾向があります。この構造の中で、私は徐々に疲弊していきました。

2. 成果が出ない=人格否定のようなプレッシャー

営業職であれば、売上目標という明確な数字があります。目標を達成できれば「仕事ができる」、達成できなければ「仕事ができない」。その評価は非常に残酷でシンプルです。

特に印象に残っているのは、フリーランスになる直前に在籍していたITコンサルティング会社での経験です。 その会社の社長は、業界でも名の知れた著書を持つような有名な方でした。しかし、社内では毎日のように「君は仕事ができない」と叱責され、強烈なパワーハラスメントを受ける日々でした。

毎日毎日「仕事ができない」と言われ続けると、どうなると思いますか? たとえそれが小さな会社の中だけの出来事であっても、精神的には「自分は世の中のどこに行っても通用しない人間なんだ」と思い込んでしまうのです。

3. 他者との比較による負の連鎖

会社には、自分よりも遥かに売上を作る優秀な営業マンが山ほどいます。上を見ればキリがありません。 これはSNSでキラキラした他人を見て自分と比較し、落ち込む心理に似ています。「あの人はすごいのに、それに比べて私は…」と毎日比較し続けることで、自分から負のオーラを纏うようになり、さらに仕事ができなくなるという「負の連鎖」に陥っていました。

結果として、自信はなくなり、生活も楽しくなくなり、プライベートさえも充実させることができなくなってしまったのです。

なぜ「仕事ができない」のか

会社員時代の私が「仕事ができない」と感じていた最大の理由は、実は能力不足ではありませんでした。 フリーランスになって気づいたことですが、それは単純に**「仕事内容(または組織)にフィットしていなかっただけ」**なのです。

私たちが普段「仕事ができる・できない」と判断している基準は、実は非常に曖昧で定性的なものです。 特に会社組織においては、「仕事ができる」という意味が、純粋なスキルだけでなく、「組織の中でうまく立ち回れるか」「根回しができるか」「波風を立てずに物事を進められるか」といった、政治的な能力を含んでいることが多々あります。

私は、この「組織の中で働く」ということが決定的に苦手でした。 会社という枠組みにハマろうとすればするほど、自分の本来のパフォーマンスが発揮できなくなる。会社員である以上、組織の一員としての振る舞いが求められますが、それができない人間は、たとえ個別のスキルがあっても「仕事ができない」と烙印を押されてしまうのです。

「能力が低い」のではなく、「その会社の文化や業務の進め方に慣れていない」、あるいは「そもそも向いていない」。ただそれだけのことだったのです。

「仕事ができない」をできるように努力したが

もちろん、当時の私もただ手をこまねいていたわけではありません。「仕事ができない」と言われるのが悔しくて、できるようになるための努力もしました。

本を読み漁り、勉強し、なんとか周りの「できる人」に追いつこうと必死でした。 しかし、どれだけ勉強しても、どれだけ努力しても、「会社が求めるような仕事ができる人」にはなれませんでした。

なぜなら、努力の方向性が間違っていたからです。 そもそも「その仕事(私の場合は組織的な営業活動など)」にフィットしていないのに、無理やり合わせようとしても成果は出ません。「自分は営業に向いていない」「組織に馴染めない」という根本的な相性の悪さは、小手先の勉強や努力で覆せるものではなかったのです。

「頑張ろう」と精神論で乗り切ろうとしても、向いていないものは向いていません。非常にドライな言い方になりますが、フィットしない場所で努力を続けることは、ある意味で時間の無駄だったとさえ今は思っています。

フリーランスでは「仕事ができない」本質が違う

ここからが本題です。 会社を辞め、フリーランスという働き方を選んでからの3年間、私は一度も「自分は仕事ができない」と思ったことがありません。

これは私が急に優秀になったからではありません。「仕事ができる・できない」という評価の本質が、会社員とフリーランスでは全く異なるからです。

スキルセットとインテリジェンスの世界

フリーランスの世界における評価は、非常にシンプルです。 「ハードスキル(専門知識・技術)」があるか、ないか。あるいは「インテリジェンス(知見)」があるか、ないか。それだけです。

例えば、「プログラミングのコードが書けるか」「Illustratorの使い方がわかるか」。これらは「できる・できない」という曖昧な評価ではなく、「知っているか・知らないか」「使えるか・使えないか」という事実ベースの話になります。 もし知らなければ、勉強して知ればいいだけのこと。そこに「君は仕事ができない人間だ」という人格否定や、組織への適合性を問うような定性的な評価が入り込む余地はありません。

営業ができなくても問題ない

「フリーランスになったら自分で営業しなきゃいけないから、営業が苦手な自分には無理だ」と思う方もいるかもしれません。 私も営業は向いていません。しかし、フリーランスだからといって必ずしも自分で営業をする必要はないのです。

今の時代、日本にはフリーランス向けのエージェントが山ほど存在します。営業は、そのプロであるエージェントに任せればいいのです。 「自分は営業に向いていない」と認めた上で、営業してくれるパートナーを見つける。これも一つの戦略です。直接自分で仕事を探さなくても、自分のスキル(Webマーケティングや制作など)を必要としてくれる場所とマッチングしてもらえば、仕事は成立します。

つまり、フリーランスの世界では、自分の得意な「ハードスキル」に集中することができ、苦手な「組織的な立ち回り」や「営業」から解放されるのです。

「仕事ができない」からフリーランスになる

私は声を大にして言いたいのですが、**「仕事ができないからこそ、フリーランスになる」**というのは、一つの正解だと考えています。

ここでの「仕事ができない」とは、先ほどからお伝えしている通り、「企業という組織の枠組みにフィットしない」という意味です。

会社員時代、高い年収で幹部候補として中途入社してきた人が、3ヶ月や半年で「合わない」と言って辞めていくケースを何度も見てきました。彼らは能力がなかったわけではありません。単にその組織にフィットしなかっただけです。

もしあなたが今、会社で「仕事ができない」と悩んでいるなら、それはあなたが「組織の中で働く」というゲームのルールに適応できていないだけかもしれません。 「組織の中でうまく立ち回る」「上司の顔色を伺う」「雑務もそつなくこなす」。これらも一種の能力ですが、これらができないからといって、あなたの職業人としての価値がゼロになるわけではないのです。

「仕事ができない」ではなく合わないから

結論として、私がフリーランスになって心から良かったと思うのは、自分を責める必要がなくなったことです。

会社員時代は、組織に馴染めない自分を「バカだ」「ダメな人間だ」と責めていました。しかし、フリーランスになって分かったのは、自分はただ「組織の中でのタスク処理」や「人間関係の調整」が苦手だっただけで、自分の専門分野(Webマーケティングなど)におけるパフォーマンスが出せないわけではなかった、ということです。

「仕事ができない」という悩みを持っている方は、その理由をもっと深く、根本まで掘り下げてみてください。 「なぜできないのか?」「何ができないのか?」と、「なんで?なんで?」と自分に問いかけてみてください。

そうすると、多くの場合は「能力不足」ではなく、「環境の不一致」に行き着くはずです。 「自分は営業に向いていない」「組織の政治が苦手だ」。そう認めることは決して逃げではありません。むしろ、自分に合った環境を選ぶための第一歩です。

日本社会では、大学を卒業してすぐに就職し、組織の一員として働くことが「正解」とされる風潮がまだまだ強いです。いきなりフリーランスになるのはハードルが高いかもしれません。しかし、もしあなたが今の会社で、組織に馴染めず、自分の能力を発揮できずにモヤモヤしているのであれば、働き方を変えるという選択肢を持ってみてください。

「仕事ができない」のではなく、「場所が合っていないだけ」。 そう気づくだけで、あなたのキャリアと人生はもっと自由で、自信に満ちたものになるはずです。私がそうであったように、あなたも自分だけの「フィットする場所」を見つけられることを願っています。